チェストとは
チェストとは、衣類や小物などを収納するための引き出しのついた家具のことです。日本語でいえば、箪笥(たんす)や衣装箱です。上着や下着類、タオルなどを折り畳んでしまうのによく使われます。
チェストの構造
チェストは、底板と天板の間に引き出しが重なっているのが基本構造です。引き出しの数は数段重ねが多いです。引き出しの代わりに、開き戸や引き違い戸などが使われる場合もあります。
チェストの歴史
チェストの原型は、箱型の家具です。箱型の家具は古代エジプト時代にはすでに存在していたことがわかっており、王族たちの間で高級家具として重宝されていました。17世紀ごろから引き出しがついた箱型家具が普及し、「チェスト・オブ・ドロワーズ」(引き出し付きタンス)と呼ばれるようになりました。
日本におけるチェスト
日本では、チェストの文化が独自に発展しました。日本においてチェストの原型となるのは、「長持(ながもち)」です。長持は長方形の木箱で、衣類や寝具などを収納するために使用されていました。
江戸時代になると、長持に代わって箪笥(たんす)が広く使われるようになりました。長持とは異なり、箪笥には引き出しがついており、幅広い用途に使われました。箪笥は、「嫁入り道具」の代表的なアイテムとしても広まりました。
明治時代になると、茶器を収納する「茶たんす」や台所で使用される「水屋たんす」などが普及。一方で、西洋のチェスト文化を取り入れた「洋服だんす」が登場しました。洋服だんすには、コートやオーバーなどをハンガーに掛けて吊るすためのスペースも設けられました。
チェストの役割
<衣類の品質を保つ>
チェストは、衣類を収納する目的でよく使用されます。衣類はデリケートなので、きちんと保存をしなければ、虫に食われて穴があいてしまったり、色あせやシミができてしまったりということがあります。チェストに収納することによって、衣類を守り、品質を損なわずに保存することができます。
<物を分類>
チェストは引き出しによって区切られているため、物を分類して収納するのに最適です。「何段目の引き出しには何を入れる」というルールを決めておくことで、衣類や小物類、雑貨を機能的に使うことができます。
<空間を有効活用>
チェストは、様々なサイズがあり、押し入れの下や家具の隙間などに置くことができます。部屋の中の空きスペースを無駄なく活用できるのも、チェストの魅力です。 |